妄想小説Walk第14話
「何か2人の方がお似合いだよ(笑)」
私は気持ちを切り替えるために笑顔でそう言ってみた。
「えー!?やだよ!!俺そんな趣味ないって!!!」
有岡くん、全力で否定(笑)
「伊野尾さん、いい人だよ?」
「それとこれとは話が別だろ!」
「顔キレイだから絶対女装似合うって」
何ならそのまま化粧するだけでもイケる気がする。
「そういう問題じゃないから!」
「俺は好きだよ」
有岡くんに向かって真面目な顔で言う伊野尾さん(笑)
「お前やめろ。話がややこしくなる!」
「ほら。有岡くんは伊野尾さんの事LOVEなの?どうなのよ」
もはや逆襲。
「LIKEだよ!」
「じゃ同じだね♪伊野尾さんに乾杯♪」
私はそういうと自分のグラスを有岡くんのグラスに重ねた。
「まゆみさん、俺は?(笑) 」
「あ(笑) 乾杯♪ 」
伊野尾さんに言われた私はしれっと伊野尾さんとも乾杯する。
「絶対忘れてたでしょ(笑)」
「ええ。申し訳ない(笑) 」
本当に忘れてた(笑)
「ひでーな(笑) 」
「だって有岡くんが。」
「俺が悪いの?」
「うん(・_・)」
「俺が悪いみたい。いのちゃんごめんね」
「許す!」
あっさり許してくれた(笑)
伊野尾さんやっぱり適当だ(笑)
それから私たちはほぼほぼふざけながら楽しくお酒を飲んだ。
日付が変わる頃、2人はまだ飲むというので私は先に帰ることにした。
2人で楽しく飲んでほしいし。
・・・というのは表向きの理由。
やっぱりちょっと気持ち的に複雑なのよね(笑)
とりあえず、帰ってゆっくり寝よう!
数日後のとある日。
「おつかれー」
仕事してたら髙木くんが帰ってきた。
「あれ?まゆみさん1人なんだ」
「うん。私も帰ってきたら誰もいなかった 」
「そっか」
髙木くんはそう言うとどこかから椅子を持ってきて私の隣に座り
「ねぇ、あれから有岡とどうなった?」
と聞いてきた。
「えっ別にどうにもなってないよ」
「えーそうなの?つまんねー」
「つまんねーとか言わないで(笑) あーでもこないだなぜか伊野尾さんと3人で飲んだんだけどさ」
「伊野尾さんって白米の?」
「そう。白米の伊野尾さん。その時に有岡くんに伊野尾さんの事すすめられてさ。何かせつなくなっちゃったよ」
本当、あれは複雑だったな・・・。
「じゃまた好きになるのやめんの?」
髙木くんがニヤニヤしながら言う。
「無理。しばらくこのままでいいよ・・・」
「そんなこと言ってたらいきおくれるんじゃない?」
そんなに嬉しそうにごもっともな事言わないでほしい(笑)
「えー(笑) いきおくれたら髙木くん結婚してよ(笑) 」
「やだよー」
速攻で断られた(笑)
そりゃそうだ(笑)
「何でよー(笑) 」
「だって有岡がいいんでしょ?」
「・・・うん」
改めて言われると何か照れる・・・
「お前めんどくせー!(笑) 」
そんな私を見て髙木くんがそう言って笑う。
「私もそう思う(笑) 」
本当、我ながら面倒くさい女(笑)
「そろそろ頑張りなよ」
「えっ な、何をですか」
「彼女いるかぐらい聞けば?」
「んーーーーーーー・・・・」
「あーもう無理だね。結婚できないわ 」
・・・そこまで言いますか。
「・・・わかった。頑張る。」
「お!応援してる!」
「ありがとう」
「じゃ俺帰るわ。お疲れー」
「お疲れ」
・・・きっと背中押してくれてるんだよね?
髙木くん、いい人だ・・・
そうだよね。せめて彼女いるかぐらい・・・
・・・聞けたら聞こう。