妄想小説Walk第3話

やがて車が動き出した。

・・・男の人の運転する姿って好きだ。
そう。運転する姿が好きなのだ。

 

「疲れた?」

急に話しかけられて驚く。

「あー有岡くんほどじゃないよ」
「俺全然大丈夫ですよ。今からドライブもいける」
「すごいね!元気だな!」
「うん!楽しいからね」

そう言うと有岡くんはにっこにっこする。
本当に楽しいんだな(笑)

「じゃあまだまだドライブしちゃう?」

有岡くんの笑顔が可愛くて思わずそう言ってしまう私。

「いいの?」
「いいよ」
「じゃあこないだ髙木さんに教えてもらったおいしいプリンの店があるんですけど、そこでプリン買ってどこかで食べません?」
「いいねーーーー!!」

 

 

それから私たちは相変わらずしりとりをしながら軽くドライブし、お目当てのプリンを購入すると海へとやってきた。
ちょうど夕日が沈むところで、ものすごくキレイ!

 

「わーーーー  いい時間帯に来れたねーーーー!! 」

超キレイ!
思わずテンションが上がる。

「スゲーーー!! キレイ!! 一緒に来れてよかったね!! 」

隣にはもっとテンションの高い有岡くんがいる(笑)
かと思ったら、有岡くんは夕日に向かって走り出し、急に立ち止まったと思ったらそのまま夕日を眺めている。
私はそんな有岡くんの後姿と夕日をスマホで撮影。

 

 

・・・うん。なかなかいい。

 

 

「今写真撮った?」

シャッター音に気づいたのか、有岡くんが振り向いて言う。

「撮ったよーほら。いい写真じゃない?」

私が画面を見せながらそう言うと
「うん!スゲーキレイに撮れてる!まゆみさん、写真上手だね!」
と褒めてくれた。

「ありがと♪ じゃあ写真撮ったげるよ。何かポーズとって」
「イェーイ!!」

嫌がるかと思ったら超ノリノリだ(笑)

 

「今度は俺が撮ったげるよ」

何枚か撮影した時有岡くんはそう言ったが、私は
「いや、いいよ」
と断った。

「何で?」
「写真苦手なの」
「じゃ一緒に撮るのはダメ?俺まゆみさんと一緒に撮りたい」

そんなこと言われたら断りづらいよね・・・・・

「んーーーーーま、いっか」
「よっしゃ急ごう!沈んじゃう!!」

有岡くんは私のスマホを奪い、何枚か自撮り。
そして自分のスマホも出して自撮り。
周りが薄暗いせいか、二人の顔はよく見ないと判別できないぐらいだったけど、それでも有岡くんは満足そうだった。

 

「後でLINEで送るからまゆみさんも送ってね」
「はーい」
「プリン食べよ」

有岡くんはそういうとそのまま砂浜に座った。

私が持っていたプリンとスプーンを渡すと、にっこり笑って
「ありがとう」
といい、すぐ開けてすぐ食べる。
そして。

「うめー!!!!」

忙しい子だな(笑)

「まゆみさんも食べな!」
「そ、そうだね(笑) 」

私もとりあえず有岡くんの隣に座ってプリンを一口。

「うま!!!すっごいおいしいこれ!!」

今まで食べた中で一番おいしいかもしれないこのプリン!!

「でしょ?うまいんだってこのプリン」
「本当!さすが髙木くん!」
「いやそこは俺でしょ」
「(´・_・`)」
「・・・ごめんなさい」
「何かキレイだしおいしいし楽しいし、幸せだね!」

 

何か楽しくなってきた♪

 

「本当、キレイだしおいしいし楽しい!まゆみさん誘ってよかったよ」
「そう言ってもらえると嬉しいな。何か久々にたくさん笑ってる気がする。何かありがと♪」
「こちらこそだよ」

 

私たちはそれから海を眺めながらいろんな話をした。
今思うこと。
これからのこと。

 

有岡くんって意外と真面目な話がちゃんと出来る子なんだ・・・。
まともに話したの初めてだけど、何かすごくいい子だな。

 

 

結局その日はアドレナリンが出まくっていたのか、夕飯まで食べて家路に着いた。

 

 

 

 

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