妄想小説Walk第11話

今日は会社でたまった書類をまとめている。

我ながらギリギリにならないとやらないこの性格はよくない。
次はちゃんとしよう。

・・・と、何度思っただろう。
ま、そう簡単に性格は変わらないよね。
余計な事考えないでとりあえず仕事に専念しよう。うん。

 

 

 

 

しばらくしてようやく終わる目処が立ってきた。

 

ふぅーーーーーーーー・・・

 

大きく息を吐いたその時。

「お疲れ様。一息入れたら?」

と、机に缶コーヒーを置かれ、振り向くとそこには薮さんが立っていた。

「あ、薮さん!お疲れ様です!あー八乙女くん今日ちょっと出ちゃってて」
「なんだーそうかー」

やっぱり八乙女くんに会いに来たんだ。
仲いいな♪

「呼び戻しましょうか?」
「いや、いいよ。仕事のついでに寄っただけだから。でも残念だったなー」

八乙女くんに会えなくて少し寂しそう。
かと思ったら。

「まゆみさん今日は事務仕事なんだ」
と普通に話し出した。

「そうなんです。ちょっとたまっちゃってて」
「コーヒー、よかったら飲んでよ」
「ありがとうございます。いただきます」

薮さんから頂いたコーヒーを私はありがたくいただくことにした。

 

ふぅ・・・ホッとする。

 

「頑張ってるね」
「いやいや、仕事溜めちゃった私が悪いんですよ。どうしても後回しにしてしまって」
「俺、事務仕事は事務員さんにお願いしちゃってるからよくわからないけど、大変だろうなって思うよ」

事務員さんがいらっしゃるんだ。
お会いしたことないな。

「正直、大変です(笑) 」
「だよね。明日ケーキでも差し入れしようかな」
「いいですねー! 喜ばれると思いますよー♪ 」

なんてお話をしていたら。

 

「あれ?薮じゃん。何してんの?」

八乙女くんが帰ってきた。

「お前に会いに来たんだよ♪ 」
「何言ってんだよ」

薮さんの言葉にまんざらでもない様子の八乙女くん。
ごちそうさまでーす(笑)

 

 

「光、飯行かねー?」
「いいよ」
「まゆみさんもよかったら」

薮さんが誘ってくださった!・・・けど!
薮さんに気を使って頂いてるのに申し訳ないんだけど、仕事が終わる気がしない・・・

お待たせもできないし、お邪魔だろうし。
申し訳ないけどお断りしよう・・・

「あーすみません・・・ぜひご一緒させていただきたいんですがいかんせん明日まででして・・・」

私は書類の山をポンポンたたきながらそう言った。

「そっか、じゃあまた今度!」

私の言葉に薮さんは明るくそう言って下さる。
ありがたい・・・

「ありがとうございます」
「おつかれー」
「お疲れ様です!」

薮さんと八乙女くんは2人で楽しそうに帰っていった。

 

 

 

 

・・・さて。続き頑張ろ。
私が机に向かおうとしたとき。

「あれ?今八乙女さんと出てった人誰?」

いつの間にいたのか、有岡くんがそう言った。

「帝王の薮さん」
「ああ!あの方が帝王の薮さん!!本当に八乙女さんと仲いいんだね♪」

何だか嬉しそうな有岡くん。
薮さんの存在は知ってるらしい。

「うん、すごい仲良しだよね」
「そっかーいいなー♪」

有岡くんはそう言いながら去っていった。
・・・なんだったんだ?

 

 

 

 

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