妄想小説Walk第12話

今日は有岡くんと白米商事に打ち合わせに来ている。
仕事の話もひと段落した頃、いつものように伊野尾さんが話し出した。

「じゃあいつデートするか決めようか」
「そうですねー都合が合うといいですね」

私はいつものようにはぐらかす。
が。

「俺、今週末空いてますけど伊野尾さんはどうですか?」

なぜか有岡くんがそう言いだした。
私は驚いて有岡くんを見る。
そして恐る恐る伊野尾さんを見ると・・・

伊野尾さんは笑っていた。

「俺も空いてるよ。まゆみさんは?」
「え!?あ、空いてます・・・」
「じゃ3人で飲みに行く?俺店予約しとくから」
「お願いします!」

元気よくお願いする有岡くん。

・・・えっと・・・これは・・・いいんだよね?
伊野尾さんもノリノリだし、大丈夫なやつだよね・・・???

「じゃあ失礼します!また週末!」
「うん、ばいばーい」

有岡くんは頭を下げるとスタスタと歩き出す。
私は慌てて伊野尾さんに頭を下げて後に続く。

てか急展開過ぎて頭がついていかないんだけど!
とりあえず、今週末は3人で飲むことに決まったのね。
そっか。それにしても。

「有岡くん、伊野尾さんとデートしたかったの?」
「うん。まゆみさんいつも誘われてるんでしょ?俺はなかなか誘ってもらえないから自分から言ってみた」
「・・・そっか。」

伊野尾さんに興味があるのか・・・?
やっぱりよくわからない子だ。

 

 

 

 

週末。
今日は仕事帰りに有岡くんと伊野尾さんと飲むことになっている。
私と有岡くんは別の仕事で動いていたので現地で待ち合わせをしたのだが、私の仕事が長引いてしまい、遅れて合流することになった。

有岡くんなら大丈夫だとは思うけど、ちょっと心配・・・。
私はダッシュでお店に向かった。

 

 

お店に入ったら2人の姿を見かけたので「遅くなってすみません!」と声をかけようとしたのだが。
2人の会話が聞こえてきて私は面食らってしまい何も言えずにその場に立ち尽くした。

「ばっかじゃねーの大ちゃん」
「いのちゃんに言われたくないよ」

 

・・・Σ(゚Д゚)

 

おい有岡Σ(゚Д゚)
取引先の方だぞΣ(゚Д゚)

 

一瞬そう思ったが、2人とも本当に楽しそうに笑ってて。
私のいない間に何があったかはわかんないけど、この2人は相当馬が合うようだ。

 

何か微笑ましいな・・・♪

 

「あーまゆみさんきたーこっちおいでよー」

伊野尾さんに見つかった。

「あ、はい。遅れてすみません!失礼します!」

どうぞどうぞと言われ、私は伊野尾さんと有岡くんの間に座らされた。
何か2人の世界を邪魔してるみたいで申し訳なさすぎる・・・。

「まゆみさんお疲れ!生でいい?」
「うん、ありがとう」

有岡くんが頼んでくれた生ビールが到着すると私はとりあえず飲み干そうとする・・・のを有岡くんに止められた。

「まゆみさん、乾杯しないと!」
「あ!Σ(゚Д゚) し、失礼しました!!」
「じゃあかんぱーい」

伊野尾さんの掛け声でグラスを合わせ、ようやくビールを飲む。

・・・マジでやばい。
こんな初歩的?なミスするなんて!!
伊野尾さんは全く気にしてないみたいだからよかったけど・・・
次からは気を付けよう・・・

 

 

 

 

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