2017 Birthday Story 薮宏太

「あ。今日薮の誕生日だ」

 

有岡くん、髙木くん、八乙女くんと4人でお昼ご飯を食べていたら、八乙女くんがふいにそんなことを言いだした。

 

「そうなんだ。LINEした?」

 

と、有岡くん。

 

「まだ」

「しないと」

「うん」

 

有岡くんの言葉に素直にうなずき、スマホをいじりだす八乙女くん。

何だか可愛い(笑)

 

「今日はきえさんの手料理でお祝いするのかな?」

 

私は、この間見た光景

 

”幸せにしてやるから、覚悟しとけよ”

 

を思い出しながら、八乙女くんに聞いてみる。

 

「どうなんだろう?2人で過ごすとは思うけどね」

「そうだよねー」

 

そんな話をしていたら、八乙女くんのスマホにLINEの着信が。

LINEの画面を開いた八乙女くんは笑いながら「何これ」と言っている。

 

「えっなになに?」

 

有岡くんが興味津々で八乙女くんのスマホをのぞきこむ。そして。

 

「えっなにこれ」

 

と困惑した笑いを浮かべる。

 

「何?」

 

髙木くんもスマホをのぞきこみ

 

「なんだこれ?」

 

と笑ってる。

 

え。何。気になる。

 

「え。どうしたの?」

「いや、薮がさ。きえちゃんから誕生日プレゼントもらったって写真送ってきたんだけどさ」

 

そう言って八乙女くんは私にスマホを見せる。

 

「え。これ何????」

 

写真を見ただけだとこれが何なのかいまいちピンとこない。

 

「それがさ。スタンドマイクみたいなんだよね」

「スタンドマイク?」

 

有岡くん、髙木くん、私の声が揃う。

 

え・・・っと・・・・確認だけど・・・

 

「誕生日プレゼントだよね?」

「うん。そうみたい」

「何でスタンドマイクなんだろう?」

 

髙木くんの疑問。

 

「薮に歌わせたいんじゃない?」

「・・・そっか」

 

八乙女くんの返答に意外と簡単に納得する髙木くん。

 

そっか。

歌わせたいんだ。薮さんに。

そうなんだ。