2017 Birthday Story 岡本圭人

朝、出社したら八乙女くんが嬉しそうに圭人くんにちょっかいかけている姿に遭遇した。

いつ見てもこの2人、兄弟みたいに仲がいい。

 

 

「おはよ」

 

2人の姿が微笑ましすぎて思わず笑顔になってしまいながら私は2人にご挨拶。

 

「あ、おはよーまゆみさん。今日圭人の誕生日なんだって!」

 

すると八乙女くんがそう言ってきた。

 

「こいつ嘘ついてるのかと思ったらどうやら本当みたいだよ」

「だから本当だってば!」

 

楽しそうに笑いながら言う八乙女くんの言葉に圭人くんもなぜか嬉しそうに笑いながら言っている。

微笑ましいの連鎖だ。

 

「何で嘘だと思ったの?」

 

私は素朴な疑問を八乙女くんにぶつける。

すると八乙女くんは嬉しそうに言った。

 

「今日エイプリルフールじゃん!」

「あ、そっか!」

「でも生まれた事は嘘じゃないよ」

 

うまい!(笑)

 

「そうだよね。おめでとう!圭人くん」

「ありがとう まゆみさん」

「今日はみゆきちゃんと過ごすの?」

「うん。何でもしてくれるっていうから手料理をリクエストしてみた」

「そっか!」

 

みゆきちゃん、ちゃんとしてるから、今日はすっごいごちそう作ってるんだろうなー♪

いいなー♪

 

圭人くんの為に一生懸命に手料理を作ったり、いっぱい悩んでプレゼント買ったりしたんだろうなーって想像したら、何だかものすごく幸せな気分になった♪

 

 

 

 

 

「おはよー!」

 

ほっこりする話を聞いてニヤニヤしていたら、有岡くんが肩で息をしながら現れた。

 

「おはよう有岡くん。どうしたの?」

「今日空飛んで来たら鳥にぶつかりそうになってさー。あわててよけたらバランス崩して危うく地面にぶつかりそうになったよー危なかったー!」

 

有岡氏による過剰な小芝居。

なるほど。

エイプリルフールですね。

 

「それは大変だったね。どこでもドアにしとけばよかったのに」

 

とりあえず、乗っとく。

 

「どこでもドア今壊れてて修理に出してるんだよね」

「それでタケコプターなんだね!」

「俺今日魔法のじゅうたんに乗ってきた!」

 

八乙女くん、参戦。

 

「えーいいなー!今度乗せて!」

「いいよ」

 

有岡くんの言葉にドヤ顔の八乙女くん。

この2人のこの感じも好き。

 

「・・・なにこれ(笑)」

 

八乙女くんが笑いながら言う。

楽しそうに参加してきたくせに(笑)

 

「楽しいでしょ?」

 

それに有岡くんがそういうと八乙女くんは「うん」と笑う。

 

素直で可愛い(笑)

・・・けどそろそろ仕事しなくちゃ。

 

私は自分のデスクに向かっておもむろに歩き出した。