妄想小説Walk第47話

 

ばいんばいんばいんばいんばいんばいんばいん・・・・

 

 

「チョコバナナ食べたい!まゆみさんも食べる?」

GETしたヨーヨーをばいんばいん鳴らしながら有岡くんはそう言う。

「うん」
「じゃ買ってくるよ」
「ありがとう」

相変わらずヨーヨーをばいんばいん鳴らしながら有岡くんはチョコバナナを買いに歩いて行った。

 

 

 

結局、勝負だと意気込んでヨーヨー釣りをしてみたものの、2人とも釣れたのは1個ずつで。

「1個ずつでも取れてよかったね!」

なんて言いながら2人でヨーヨーをばいんばいん鳴らして歩いていたら、チョコバナナの屋台を発見し、今に至っている。

 

 

にしても。
チョコバナナが好きとか。
イメージ通り過ぎて本当にもう・・・

 

 

そんなことを考えていたら、有岡くんが2本のチョコバナナを持って帰ってきた。

 

 

「はい!」
「ありがとう♪」

有岡くんはチョコバナナを1本私に渡すと自分のチョコバナナを食べようとする。
が。
なぜか腕にヨーヨーが絡まっていて食べづらそうだ(笑)

 

何で腕にヨーヨーが絡まってるんだ?(笑)

 

「俺、何でヨーヨーが絡まってんだろ?」
「何でだろうね(笑)」

自分でも理由がわかってないのね(笑)
とりあえず、外してあげよう(笑)

「そのまま動かないでね」
「ん。」

私は有岡くんの腕に絡まっているヨーヨーを外してあげる。
すると有岡くんは

「ありがとう!」

と言って大きな口でチョコバナナにかぶりつく。

「うめー!」

口にはチョコがついている。

 

 

・・・完璧。
可愛いの暴力だこれ。
自然にこうなっちゃうところが有岡くんで、有岡くんのこういうところも本当に大好きだ。

私はそんなことを思いながらチョコバナナにかぶりつく。

「うん♪ おいしい♪」
「ね!やっぱお祭りと言ったらチョコバナナだよね!」
「だね(笑)」

もぐもぐチョコバナナを食べている姿も本当愛おしい。

 

 

・・・。
幸せだ・・・。
こんなに幸せでいいんだろうか・・・。

 

 

「大貴」
「知念!」

私がチョコバナナを食べている有岡くんの姿に見とれていたら、いつの間にいらっしゃったのか、知念さんが有岡くんに声をかけていた。
隣にはともさんの姿が。

「僕たちもう帰るね」

知念さんが言う。
それに有岡くんは

「帰るの?」

と聞き、「うん」と言った知念さんに対して

「わかった!またな!」

と元気よく言った。
そして、知念さんはともさんと一緒に夜の街へと消えて行った。

 

 

知念さんとともさんが2人で歩いていく姿は何だかとても可愛らしくて、私は思わず2人の姿を見えなくなるまで見てしまっていた。

「何だかすごく微笑ましい2人だね」

つい、有岡くんに話しかける私。

「うん、お似合いだよーいいなー」

今日の有岡くんはどうも仲良しさんがうらやましくてしょうがないらしい(笑)

 

 

じゃあ私たちも仲良くしよ?

 

 

なんて言えたらいいですけどね・・・・
多分、一生言えない・・・

 

 

「ご飯ここで食べて帰る?」
「え?ああ、うん」

急に有岡くんに話を振られて私は慌てて返事をする。
そんな私にはお構いなしに

「じゃあ次は焼きそばだ!」

と有岡くんは言うと、私の手を握って歩き出す。

 

ちょっと待って私まだチョコバナナ食べてる途中なんだけど(笑)
てか、いつの間に有岡くんはチョコバナナを食べ終えたんだろう?

 

それよりも!
今日の有岡くんはやたら手を握ってくるのは何故なんだろう??

 

私の頭はいろいろと混乱していた。
しかし、有岡くんはそんな私にはお構いなしで私を色々な屋台に連れまわす。
そしていっぱいご飯を食べたら幸せそうに笑った。

 

 

・・・もう何でもいいや。
好き。

 

 

幸せそうな笑顔を見ていたらもう細かい事はどうでもよくなってくる。

有岡くんがどう思っていようと、私は有岡くんの事が好きなんだからもうそれでいい。

 

「帰ろうっか」
「うん」

しっかりお祭りを満喫したのか有岡くんがそう言ったので、私たちはそれから家路に着いたのだった。

 

 

 

 

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