妄想小説Walk第40話
今日は久々に八乙女くんと2人で行動している。
何だかテンションの高い八乙女くんが率先して運転してくれてるのだが、今日の八乙女くんはやたら饒舌だった。
「でさー俺よく言い間違ったりするじゃん?」
「うん」
「こないだも何か言い間違えた時に、薮がやたら冷静に「ひかる?頭で考えてからしゃべってみ?」って言うんだよ。でも俺、頭で考えてる所から既に間違ってるからね!」
威張って言う事じゃないし(笑)
「ダメじゃん(笑) 」
「うん、ダメなの(笑) 」
何故だろう。
のろけにしか聞こえない。
「そういえば薮さん、ジャージで会社に来たよね!あれはびっくりしたなー(笑) 」
「そうなんだよ!あいつ本当忘れ物がひどくて!財布とか鍵とかカバンとか忘れるのはしょっちゅうなんだけど、服とか荷物一式は初めてだったなー(笑) 」
私の言葉にそう言いながらも八乙女くんはすごく嬉しそうだ。
なんだろう。
彼氏の話をしている彼女にしか見えない・・・
・・・彼女?
彼女と言えば、あれからゆかさんとどうなったんだろう?
「あの日、ゆかさんとご飯行ったの?」
「行った!その時も俺やらかしちゃったんだよね(笑) 」
八乙女くんはニコニコしながらそう言う。
「えっ何を?」
「ゆかちゃんが注文した後で俺もカッコつけて、「同じのもうひとつ!」って言ったんだけど、ゆかちゃんが頼んだのってレディースセットだったんだよ(笑) しかもご飯少なめ!恥ずかしかったー!」
「あはは!」
なにその可愛いの(笑)
「でもそのおかげでゆかちゃんも緊張がほぐれたみたいだったからよかったんだけどね♪」
「そっか(笑) よかったね」
「うん、よかった♪ 間違えたって気づいた時には焦ってすっごい汗かいてたけどね(笑) 」
今日は八乙女くんの口からはのろけしか聞こえてこないらしい(笑)
本当に嬉しそうに話すから、こっちもニコニコして聞いちゃうよ(笑)
だからかな(笑)
「何か、仲良さそうでうらやましいな♪ 」
と、思わずつぶやいてしまった(笑)
「え?そう?」
それに答える八乙女くんもめちゃめちゃ嬉しそうだ(笑)
「うん(笑)」
「まゆみさんも仲いいじゃん」
「え?」
「髙木と」
髙木くんかーい(笑)
「あ、うん(笑) 確かに仲いいや(笑) 」
「うそうそ(笑) 有岡でしょ?」
・・・え?
「あ、有岡くんとも仲いいね!そうだね!」
「でしょ?」
八乙女くんは相変わらずニコニコ。
・・・え。これはどっちなの?
私の気持ちに気づいてるの?気づいてないの?
・・・わからない・・・
聞きたい・・・けど、聞けない・・・
気になる・・・けど、聞けない・・・
そのうち、八乙女くんは運転しながら鼻歌を歌いだした。
・・・ま、いっか・・・
結局、真相を聞くことが出来ないまま、私たちは会社に戻ったのだった。
会社に戻ると有岡くんがニコニコしながらスマホを見ている所に遭遇した。
「有岡くん、おつかれ!」
声をかけてみると
「まゆみさん、おつかれ!知念お祭り来るって!」
嬉しそうにそういう有岡くん(笑)
それでニコニコしてたのか(笑)
可愛いな♪
「そっか!よかった♪ ともさん喜ぶね! 」
「うん!よかった!あとはいのちゃんだなー」
「伊野尾さんから連絡ないの?」
「そうなんだよー既読スルーされてる」
既読スルーとか(笑)
あやかさんへの手口と同じかー(笑)
「そうなんだ (笑)」
「うん。どうやったらいのちゃん来てくれるんだろう・・・」
有岡くん、一生懸命考えてる。
そうだよね。
私も出来る事があるならさせてもらいたい。
何か出来る事はないかなぁ・・・
出来る事・・・・
「私が連絡してもきっと嫌がられるよね 」
思いつくことがこういうことしかない・・・
ポンコツすぎる自分が憎い・・・
「嫌がりはしないよ。でもしなくてもいいかも」
「だよね(笑) 」
「多分いのちゃん忙しいんだろうな!きっと来てくれる!絶対来てくれる!」
言い聞かせてる(笑)
「うん!きっと大丈夫だよ!」
「うん!大丈夫!」
私の言葉に有岡くんはそうやって大きくうなずくと
「あ、そうだ!お祭りのドレスコート、浴衣だから!」
と言った。
「えっ浴衣!?」
「浴衣!」
浴衣・・・
着付け出来ないんだけどどうしよう!
「有岡くんも浴衣?」
「浴衣!」
「そっか 」
なら頑張る。
「楽しみだね♪ 」
嬉しそうな有岡くん(笑)
「そうだね(笑) 」
そんな有岡くんを見てたら私も嬉しくなるよ♪
「有岡!ちょっと。」
その時、有岡くんが上司に呼ばれて行ってしまい、この話はお開きになった。
でも、本当楽しみ♪
あやかさんとともさんの恋がうまくいくように、全力でサポートするぞ♪
えいえいおー♪