妄想小説Walk第28話

ある日。

「やあまゆみさん!光いる?」

ものすごくさわやかに薮さんがやってきた。

 

・・・それはよいのだが、薮さん、ジャージ姿だ。
とても珍しい・・・

 

「八乙女くん・・・あ、いますね。やおとめくーーーーん!」

私が八乙女くんを呼ぶと、それに気づいた八乙女くんが笑顔でやってくる。
そして。

「薮、お前人の会社にジャージでくんなよ(笑) 」

という。

「え?・・・あ、本当だ(笑) 忘れてきちゃった(笑) 」

 

・・・え?(笑)

 

「え!?お前服忘れてきちゃったの!?」

驚く八乙女くん。
それに対して

「いや、全部」

と薮さんのまさかのお答え(笑)

「全部!?どゆこと!?」
「今ジムに行ってきたんだけど、荷物全部忘れちゃ・・・あ、電話だ。もしもーし」

タイミングよく着信。
きえさんかな?(笑)
てかスマホはポケットに入ってるんですね(笑)

「あ、きえちゃん?かかってくると思ってたよー。・・・うん、今気づいた。・・・だよね。今?光の会社」
「は!?取引先の会社にジャージで伺うなんて失礼ですよ!!」

電話の向こう側からきえさんの声が聞こえてくる。
めっちゃ怒られてるじゃん(笑)
ウケる(笑) ←

 

 

「ごめんなさい・・・うん、わかった。ありがとう」

しおらしくそう言ったと思いきや薮さん。

「怒られちゃった(笑) 」

とはにかむ。

 

ちょっと可愛いな(笑)

 

「そりゃそーだろ(笑) で?きえちゃん、なんだって?」

ニヤニヤしながら言う八乙女くん(笑)

「ジムから電話あったから、服と荷物全部取りに行って、ゆかちゃんが届けてくれるって」

やっぱりゆかさんが来るんだ(笑)
なんかもう薮さんの忘れ物にも、ゆかさんが来ることにも慣れてきたな(笑)

仕事中の帝王感とこのうっかり感。
このギャップに女子はメロメロなのであろう。

「またゆかちゃん来させんのかよ(笑) かわいそうに(笑) 」

そう言いながらも八乙女くん、ニヤついてる(笑)

 

そう言えば連絡先を交換した2人は連絡を取り合っているのだろうか?

 

「光からもお礼言っといてよ」
「お前が言えよ!(笑) 」
「連絡する口実になるじゃん。言っといてよ 」
「・・・なるほど。」

え。納得した(笑)
ちょっと可愛いな(笑)

 

 

 

 

そうこうしてる間にゆかさんがやってきた。

「おー!ゆかちゃんありがとう!」

そんな笑顔の薮さんに向かってゆかさん。

「いえ。何ならもっと忘れてください」

後半小声だったけど私にははっきり聞こえたよ。
まあ、そうなるよね(笑)

「え?」

でも薮さんには聞こえてなかったみたい(笑)

「いえ、何でも」
「いつもありがとね。今度光が飯おごるよ 」
「え!?」
「俺かよ!(笑) でもいいよ。俺で良ければおごるよ」

薮さんの言葉にツッコみながらも八乙女くんは嬉しそうに言う。
というか、何ならきっとカッコつけてる(笑)

「え!?いいんですか?」
「うん、ゆかちゃんがよければ」
「いいに決まってます!むしろお願いします!何なら私がおごります!!」

必死か(笑)
必死だよね(笑)
わかる(笑)

「いや、それじゃお礼にならないから(笑) じゃあまた連絡するから、ご飯食べに行こう」
「はい!!」

「今相談して日にち決めちゃえよ」
「あ、そっか」

薮さんに言われてお互いのスマホを見ながら相談してる2人。
そんな2人の姿を見てたらめっちゃテンション上がってくる!!

もーー!!!!!何かいい感じじゃん!!!!
こないだは4人でご飯って話だったのに、もう2人でご飯とか!!

ヤバいもうテンションめっちゃ上がってるのに、有岡くんも髙木くんもいないとかマジないわー
誰かこのときめきを共有してほしい!!

 

そんなこと思ってたら。

「まゆみさん、楽しそうだね」

と薮さんに声をかけられた。

「えっはい、まあ(笑) 」
「光とゆかちゃん、いい感じでしょ?」

来た!共有してくれる人!!←

「はい♪ 何かもう微笑ましくて!見てて幸せな気分になりますね♪ 」
「でしょ?光はシャイで自分から言えないから、俺がフォローしてやらないとね」

素晴らしき友情!!
でもさ・・・

「とかいいながら薮さん、めっちゃ楽しんでるでしょ?」
「わかる?」
「わかりますー♪ 気持ちは同じですからー♪ 」
「だよね(笑) まゆみさんも協力してやってよ」
「もちろんです!私に出来ることがあれば何だって!!」
「おー頼もしい(笑) 」

「薮、お前今日何しに来たの?」

ニヤニヤしながら話してた私たちにの耳にそんな八乙女くんの声が聞こえてきた。

「え?こないだの話しようと思ってさ。まあいつでもいいんだけど、ジムに行ったからついでにきた」
「ついでかよ(笑) 」
「うん、だからいつでもいいよ」
「そう?じゃあ今からご飯食べに行こうか、ゆかちゃん」

 

 

・・・ああ!そういうことか!
最初の質問で八乙女くんがどうしたいかがわかってるんだ薮さん!
スゲー(笑) マジ熟練夫婦(笑)

 

そっかー♪ いまからかー♪
よかったねー♪ 八乙女くん♪

 

「あ!ちょっとまってゆかちゃん!服と荷物は置いてって(笑) 」

出かけようとしている2人に薮さんが慌てて言う(笑)

「あ、ごめんなさい(笑) どうぞ(笑) 」

ゆかさんはそういうと荷物一式を薮さんに渡す。
そして、八乙女くんと一緒に出て行った。

 

 

「まゆみさん、着替えていい?」
「どうぞどうぞ」
「ありがとう」

取り残された薮さんはそう言うと更衣室に入っていった。
いやぁ・・・平和だな・・・(笑)

 

 

 

 

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