妄想小説Walk第25話

ある日。
会社で仕事していたら八乙女くんが薮さんを連れて帰ってきた。
2人ですごく楽しそうに話している。

 

 

「あ。やべー。また財布なくしちゃった」

そんなとき、ふいに薮さんがそう言った。

「また?どこにやったんだよ」

八乙女くんはあきれ顔だ。
どうやらこういうことは頻繁に起こっているらしい。

「わかんねー。きえちゃんに聞いてみよう」

 

・・・え?
嘘でしょ?(笑)
さすがにきえさんでもわかんないでしょ(笑)

 

そう思ってたら、薮さんはどこかに電話し始めた。

「あ、もしもしきえちゃん?俺。薮。おつかれー」

 

・・・本当にきえさんに聞いてる(笑)

 

「あのさー。財布なくしたー。・・・うん。・・・え?今日の行動?えっとねー出勤したでしょ?光来たでしょ?飯食ったでしょ?コンビニ行ったでしょ?で、今。・・・あ、今は光の会社にいる。・・・うん。・・・コンビニ?そういえば俺何も買ってない。・・・飯?えーっとあそこだよ。いつもの定食屋。・・・うん。・・・え?ゆかちゃんが?ありがとう!じゃ待ってるわ。はーい」
「わかったの?」

八乙女くんがニヤニヤしながら聞く。

「うん。いつもの定食屋にあるはず、だって。ゆかちゃんが取りに行って届けてくれるっていうから、待ってていい?」
「いいよ」

そう言葉を交わすと、2人は仲良く八乙女くんのデスクへ。

 

「薮、コーヒー飲む?」
「うん」

薮さんが当たり前のように八乙女くんのデスクに座り、そんな薮さんの為にコーヒーを淹れている八乙女くん。
何だろうか。この夫婦感(笑)

 

にしてもきえさん(笑)
薮さんの一日の行動を聞いただけで財布忘れた場所までわかっちゃうなんて!
てか本当にゆかさん来るのかな・・・

 

・・・来るか。 八乙女くんに会えるもんね。

 

何か色々気になって仕事に集中できない(笑)

 

 

 

「ねぇねぇ」

そんな時、髙木くんが話しかけてきた。

「今の薮さんの話聞いてた?」

髙木くんも気になってるんだ(笑)

「聞いてた(笑) 気になって仕事に集中できないんだけど(笑) 」
「お前も?俺も(笑) マジでゆかちゃん財布持ってくんのかな?」
「それを心待ちにしてる自分がいます(笑) 」
「だよね(笑) 早く来ねーかな(笑) 」

あからさまにワクワクしてる髙木くん(笑)
可愛いな(笑)

「えーじゃあコーヒーでも飲みながら到着を待つ?」
「いいねー♪ 」
「じゃあ淹れてくるよ 」

私は仕事の手を止め休憩することにしてコーヒーを淹れる。

 

あ、ついでに有岡くんのコーヒーも・・・・
と思ったけれど、やめた。
有岡くん、コーヒー苦手なんだった(笑)
それに、何だか難しい顔をして書類とにらめっこしてる。
邪魔しちゃいけないな。

 

 

 

 

そうこうしてる間に本当にゆかさんがやってきた!

「はい。おまたせ」

私は髙木くんにコーヒーを渡し

「思ったより早く来たね 」

とゆかさんに視線を移す。

「あ!財布持ってるよ!スゲー!!」

大興奮の髙木くん(笑)
ゆかさんの手には薮さんの財布だと思われるものが握られていた。

「やべー!!きえさんスゲー!!!!!!」

私と髙木くんは小声で大興奮。
興奮しすぎて2人ともコーヒーをこぼし「アチ!」ってなっちゃうくらい(笑)

 

 

「ゆかちゃんありがとう♪ ご褒美に光の連絡先教えてあげる」

笑顔でそういう薮さん。

「え!?」

驚くゆかさん。

「光、いいだろ?教えてあげてよ」
「あ、うん」

八乙女くんはそういうと自分のスマホを取り出す。
ゆかさんもスマホを手に持っているのだが、手がガクガク震えている。

「ゆかちゃん、大丈夫?スゲー震えてるけど(笑) 」
「あ、大丈夫です・・・」

笑ってそう言う八乙女くんに応えるゆかさんの声は小さい(笑)

 

 

 

 

「よし!これでOK!今度きえちゃんも含めて4人で飯でも食いに行こうぜ」

2人が連絡先を交換し終えた姿を見て笑顔の薮さん。

「おう」

八乙女くんも笑顔。

「・・・」

ゆかさんは呆然。

「じゃゆかちゃん帰ろうか。光、またなー♪ 」
「し、失礼します!」

2人はそう言って去っていった。

 

 

 

 

私と髙木くんは顔を見合わす。

「やべー。薮さんスゲー」

髙木くんが言い、

「うん、きえさんもスゲー」

私も言う。

「あの2人、そのうちくっつくんじゃない?」
「八乙女くんとゆかさん?マジか!!」

髙木くんには2人が今後お付き合いを始めるようにしか見えていないようだ。

「ほら。八乙女ニヤニヤしてる(笑) 」
「本当だ(笑) 可愛い(笑) 」

もう私にも2人は付き合ってるようにしか見えなくなってきた(笑)

「こりゃ祝杯だな(笑) 帰り、飲みに行っちゃう?(笑) 」
「いいねー行くか!」

テンションの上がった私の誘いに髙木くんはあっさり乗ってくれた。
そんな訳で、今晩飲みに行くことになったのだった。

 

 

 

 

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